調査レポート

【自主調査】全員が「日本産」だと思って飲んでいる。米国の抹茶好き12名に聞いた、産地の切替と「抹茶風味」への本音

ファストインサイト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:鈴木一成)は、米国で週1回以上抹茶を飲む生活者12名を対象に、AIモデレーターによる英語の1対1動画インタビュー調査を実施しました。原料の産地を中国産に切り替えた場合、抹茶を減らして香料で補った「抹茶風味」、藻類から作った代替粉末に対して、米国の生活者がどう反応するかを聞いています。全員が普段の抹茶を「日本産」だと思って飲んでいる一方、日本産を選ぶ理由に挙げたのは2名だけでした。

《主な調査結果》

  • 0112名全員が、普段飲んでいる抹茶は「日本で育てられたもの」と回答。選ぶ理由に「日本産であること」を挙げたのは2名で、味(10名)・健康への効果(7名)・等級(5名)が上回った
  • 02中国産に切り替わっても、パッケージに明記され味と価格が同じなら10名が買い続ける。25%安ければ11名
  • 03黙って切り替えていたと後で知った場合は、3名が「買うのをやめる」、4名が「わからない」。明記の有無で反応が分かれる
  • 04「抹茶風味」はどの商品でも受け入れないが4名。最も許容されたお菓子・デザートでも半数の6名にとどまる
  • 05藻類由来の緑色の粉末は、半数の6名が「まったく試したくない」。試したいのは2名。自由回答では「抹茶と呼ばず、別の商品として売ってほしい」という声が繰り返し出た

調査背景:値上がりと品薄のなかで、産地と原料をどう変えるか

世界的な抹茶需要の増加で、日本産抹茶の値上がりと品薄が続いています。今回の12名のうち8名が、この1年で値上がりや品薄に気づいたと答えました。茶業・食品メーカーにとっては、他国産の抹茶への切替、抹茶の量を減らした「抹茶風味」、藻類などの代替素材が、現実の選択肢として検討の俎上に上がっています。本調査では、その判断材料として、米国の生活者本人の受け止め方を発話で確かめました。

この1年で、抹茶の値上がりや品薄に気づいたか(n=12)
値上がりに気づいた
5名
どちらも気づかなかった
4名
値上がりと品薄の両方に気づいた
3名

定量設問・単一回答/出典:Fast Insight 自主調査(2026)

回答者:カフェ・既製品で飲む人と、自宅で点てる人を6名ずつ

22〜51歳、男性5名・女性7名。世帯年収は3万ドル未満から20万ドル超までにわたります。スターバックスやボトル飲料で飲む「カフェ・既製品派」と、茶筅や泡立て器で自宅で点てる「自宅で点てる派」を、インタビューでの発話内容にもとづいて6名ずつに分類しました。

カフェ・既製品派(6名)自宅で点てる派(6名)
39歳 男性:通勤のドライブスルーでアイス抹茶ラテ35歳 女性:自宅用はセレモニアルグレードしか買わない
33歳 女性:週1〜2回、宅配でスターバックスを51歳 女性:コストコの有機粉を電動泡立て器で
42歳 男性:毎朝、近所のダイナーで朝食と一緒に37歳 男性:毎朝、茶碗と茶筅で点てる。日本産のみ
44歳 女性:スターバックスのみ。粉は買わない29歳 男性:有機・セレモニアルグレードを毎日、Amazon定期便
46歳 男性:スーパーでボトル入りを週1本26歳 女性:レビューを調べてAmazonでセレモニアルグレード
43歳 女性:5ドルの粉を見つけたら買う。価格重視22歳 女性:複数の粉を試す。直近はダンキン

■ 全員が「日本産」だと思って飲んでいるが、日本産を理由に選ぶのは2名だけ

「普段飲んでいる抹茶はどこで育てられたものだと思うか」には、12名全員が「日本」と答えました。ところが、抹茶を選ぶときに重視するもの(最大3つ)で「日本産であること」を挙げたのは2名。味、健康への効果、等級、価格が上位に並びます。日本産は「前提」になっていて、売り文句としては働いていません。

抹茶を選ぶときに重視するもの(最大3つ、n=12)
味
10名
健康への効果
7名
等級(セレモニアルグレードなど)
5名
価格
4名
オーガニック
3名
ブランド
2名
日本産であること
2名
色の鮮やかさ
1名

定量設問・複数回答/出典:Fast Insight 自主調査(2026)

「日本のものかどうかはあまりよく分かりません。オンラインで見た動画や、商品のラベルの裏側に書かれていたものをもとに判断していただけです」

33歳 女性|カフェ・既製品派

■ 中国産でも、明記すれば10名が買い続ける。黙って替えると、7名が離れるか迷う

いつも買っているブランドが原料を中国産に切り替え、味と色は変わらず、パッケージにも中国産と明記されている場合、今と同じ価格でも「必ず買う」7名・「たぶん買う」3名の計10名が買い続けると答えました。25%安ければ11名になります。一方、知らせないまま切り替えていたと後で知った場合は、「買うのをやめる」3名、「わからない」4名。問われているのは産地そのものより、隠さない姿勢と味の同等性です。

中国産と明記され、味も価格も同じなら買い続けるか(n=12)
必ず買う
7名
たぶん買う
3名
どちらとも言えない
1名
まったく買わない
1名

定量設問・5段階/出典:Fast Insight 自主調査(2026)

知らせないまま中国産に切り替えていたと後で知ったら(n=12)
気にせず買い続ける
5名
わからない
4名
買うのをやめる
3名

定量設問・単一回答/出典:Fast Insight 自主調査(2026)

「顧客に知らせずに中国産抹茶へ切り替えたブランドなら、私はきっぱりと購入をやめます。それは非常に欺瞞的な行為です」

37歳 男性|自宅で点てる派

「味が同じなら、それが私にとって一番大事なことです。味が同じである限り、中国産であることには目をつぶってもいいと思います」

46歳 男性|カフェ・既製品派

中国産と明記されていても「味が同じなら買う」と答えた3人の声(約1分)

43歳 女性・46歳 男性(カフェ・既製品派)、51歳 女性(自宅で点てる派)。味が同じか、オーガニック表示があるかを見ています。

同じ「中国産への切替」でも、受け止め方はここまで違う(約50秒)

37歳 男性・26歳 女性(自宅で点てる派)、46歳 男性(カフェ・既製品派)。不信感を隠さない人、日本産を探しに行く人、味が同じなら気にしない人。

■「抹茶風味」や藻類の代替は、節約ではなく「ごまかし」と受け取られる

本物の抹茶を減らして天然香料で補った「抹茶風味」でも構わない商品を聞くと、「どれも受け入れられない」が4名。許容が最も多かったお菓子・デザートでも6名にとどまり、ラテは4名、そのまま飲むお茶は3名でした。藻類から作った緑色の粉末は、半数の6名が「まったく試したくない」と答え、「やや試したい」は2名。自由回答では、代替品そのものより「抹茶と呼んで売ること」への拒否が繰り返し語られました。

「抹茶風味」でも構わない商品(複数回答、n=12)
甘いお菓子・デザート
6名
どれも受け入れられない
4名
ラテ
4名
そのまま飲むお茶
3名
ボトルや缶の飲料
2名

定量設問・複数回答/出典:Fast Insight 自主調査(2026)

藻類由来の粉末を試してみたいか(n=12)
まったく試したくない
6名
どちらとも言えない
4名
やや試したい
2名
あまり試したくない
0名
ぜひ試したい
0名

定量設問・5段階/出典:Fast Insight 自主調査(2026)

「それは、本物のコーヒーが少ないコーヒー風味のコーヒーを飲むようなものです。安っぽい偽物ではなく、購入するものを存分に味わいたいのです」

37歳 男性|自宅で点てる派

「値段に見合った本物の抹茶が、きちんとした量入っていると分かっているから買うんです。原材料を明かさずに代用するのは、人々の信頼を無駄にするようなものです」

33歳 女性|カフェ・既製品派

「抹茶風味」と藻類の粉末を、自宅で点てる2人はこう切り捨てる(約50秒)

29歳 男性と37歳 男性(いずれも自宅で点てる派)。健康のために飲んでいるから香料は要らない、抹茶でないものを抹茶と呼ぶのは欺瞞だ、と語ります。

■ 自宅で点てる派は産地と等級を、カフェ派は味とミルクを見て選ぶ

同じ「週1回以上の抹茶好き」でも、2つの層で見ている場所が違いました。カフェ・既製品派が確認するのはミルクの種類やカロリー、氷の量で、産地は確かめません。自宅で点てる派は等級、産地、有機、粉のだま、レビューを見ています。日本産にいくら多く払うか、藻類を試したいかも、層で割れました。

 カフェ・既製品派(6名)自宅で点てる派(6名)
選ぶときに見るものミルクの種類、カロリー、氷の量。産地は確かめない等級(セレモニアル)、産地、有機、粉のだま、レビュー
日本産なら、いくら多く払うか払わない 3名/10%まで 2名/25%まで 1名25%まで 2名/10%まで 2名/払わない 2名
黙った切替を知ったら買い続ける 5名/やめる 1名やめる 2名/わからない 4名
藻類の粉末を試したいかまったく 5名/やや 1名どちらとも 4名/やや 1名/まったく 1名

《示唆》産地と原料を変える前に、押さえておきたい4つのこと

01

日本産は「表示で守る」ものであって、売り文句ではない

選ぶ理由は味・健康・等級。日本産を前面に出すより、味と等級の根拠を示す方が選ばれます。

02

産地を変えるなら、先に言う

明記して味が同じなら10名が残り、黙って替えると7名が離れるか迷います。切替の告知と味の同等性が条件です。

03

代替原料は抹茶の棚で売らず、別の名前で原材料を明記して売る

「抹茶風味」や藻類の粉末は、節約ではなくごまかしと受け取られます。正直に別商品として出す方が受け入れられます。

04

層によって訴求を変える

自宅で点てる派には等級・産地・有機を、カフェ・既製品派には味とミルクの相性を。同じ一言は両方に刺さりません。

ひと晩で終わった実査

本調査は2026年10月3日(土)21時19分に配信を開始し、最初の1時間で5名、翌4時前には12名全員のインタビューが完了しました。翌朝には日本語の調査レポート、設問ごとの集計、発言の動画クリップがそろっています。本記事の数字と引用は、すべてそこから取っています。

【調査概要】

調査名
米国の抹茶好き調査:産地の切替と代替素材への反応(2026)
調査方法
Fast InsightのAIモデレーターによる、英語の1対1動画インタビュー(自由回答8問)。選択式10問を併用
対象
米国在住、週1回以上抹茶を飲む22〜51歳の生活者
募集
職歴・属性を検証済みのパネルから募集し、5問のスクリーニングで絞り込み
有効回答
12名(カフェ・既製品派6名、自宅で点てる派6名。分類は発話内容による)
実施時期
2026年10月3日〜4日
集計
回答は日本語へ翻訳して分析。人数はすべて12名中
調査主体
ファストインサイト株式会社(Fast Insight 自主調査)

本レポートの数値は出典(Fast Insight 自主調査)を明記のうえ引用可能です。発言引用は読みやすさのため言いよどみのみ整形しています。動画・発言の掲載は、回答者本人の同意を得ています。

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本調査のレポート(全グラフ・層別の比較・回答者の語りを収録)を、ご入力いただいたメールアドレスへお送りします。本レポートは、実際にFast Insightで米国の生活者12名にインタビューして作成しました。

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ファストインサイト株式会社について

Fast Insightは、AIモデレーターが59カ国・30言語の現地生活者に現地語でインタビューする、海外生活者調査のサービスです。従来は数か月・数百万円を要した海外定性調査を、最短即日・数万円から。企画からレポートまで、結果は日本語でお届けします。

所在地:東京都品川区 代表取締役:鈴木一成 お問い合わせ:info@fastinsight.ai

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