【自主調査】「初めての日本」は、もう少数派。訪日経験者100名に聞いた、リピーター時代の消費と情報行動
ファストインサイト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:鈴木一成)は、過去12か月以内に日本を訪れた中国・台湾・韓国・タイ・米国の生活者100名を対象に、AIモデレーターによる現地語の1対1インタビュー調査を実施しました。「初めての日本」はすでに少数派となり、リピーターが消費と情報行動を塗り替えている実態が明らかになりました。
《主な調査結果》
- 01訪日客の77%は2回以上のリピーター。4回以上のヘビーリピーターも42%にのぼる
- 02最大の支出カテゴリは「食事・飲食」(67%)。語られるのは高級店ではなく、ラーメンや屋台
- 03「次に行きたい場所」の言及数は北海道(15件)が首位。京都(5件)の3倍
- 04情報源ではAIチャットボット(28%)が旅行代理店(21%)・公式観光サイト(22%)を上回った
- 05「日本を勧めない」と答えた人は0%。旅の満足は帰国後の日本食・日本商品の消費に続いていく
調査背景:リピーター時代の訪日消費を、現地語の「語り」で捉える
訪日外国人客数が過去最高を更新し続ける一方、定量データだけでは「なぜその選択をしたのか」という動機までは見えません。本調査では、AIモデレーターが回答者それぞれの母国語(中国語・韓国語・英語・タイ語)で1対1のインタビューを行い、定量設問とあわせて分析しました。数字の背景にある生活者の言葉から、リピーター時代の訪日消費の輪郭を描きます。
■「初めての日本」は、もう少数派。77%がリピーター
訪日回数を聞くと、2回以上のリピーターが77%を占め、4回以上のヘビーリピーターも42%にのぼりました。初回は東京・大阪といった定番を巡り、2回目以降は「自分の行きたい場所」へ。訪日回数によって行き先の選び方そのものが変わっていく様子が、語りの中に繰り返し現れました。
定量設問・有効回答 n=62/出典:Fast Insight 自主調査(2026)
「5回目の旅行なら、北海道に行くのもいいと思います。そこは一生に一度は必ず行くべき場所です」
■ 財布がゆるむのは、高級店より「町のごはん」
最も支出したカテゴリは「食事・飲食」が67%で最多となり、「体験・テーマパーク」「宿泊」(各42%)を大きく引き離しました。注目すべきはその中身です。インタビューで語られたのは高級レストランではなく、ラーメンや屋台といった「町のごはん」。おいしければ行列さえ惜しくない、日常の食こそがご馳走になっている可能性があります。
n=79/出典:Fast Insight 自主調査(2026)
「高級な日本食レストランには行かなかったと思います。正直に言うと、ラーメン屋さんで十分だと感じていました。それが私にとっての、特別で極上の日本での食事でした」
■「次に行きたい場所」は、北海道が首位
「次に行きたい場所」の言及数では、北海道(15件)が京都(5件)の3倍と際立ちました。キーワードは雪・自然・静けさ。定番の観光地を巡り終えた生活者が、次の旅では「余白」を探している様子がうかがえます。
自由回答/出典:Fast Insight 自主調査(2026)
「ほかに行きたい場所があるとしたら、北海道にも行ってみたいですね。雪が好きなので、あの雪原の風景のようなものを感じてみたいです」
■ 旅行代理店に聞く前に、AIに聞く時代へ
旅の計画で「役に立った情報源」の上位は、SNS(56%)・YouTube(55%)・旅行ブログ(51%)と実体験系が並びました。特筆すべきは、AIチャットボット(28%)が旅行代理店(21%)や公式観光サイト(22%)を上回ったことです。生活者は公式情報よりも、実体験と、それを集約してくれるAIを頼りはじめています。
n=89/出典:Fast Insight 自主調査(2026)
「ChatGPTがすべてを一つに集約していて、あらゆる情報が入っているようなので、それ一つだけでも十分です」
■「詰め込む旅」から「暮らすように過ごす旅」へ、そして旅は帰国後も続く
ツアーではなく自分でルートを組む個人手配が主流となり、回数を重ねるほど、定番の「消化」からその土地の暮らしの「深掘り」へと旅の質が変わっていきます。さらに、帰国後に日本食を「作る・探す・買う」という語りが、国・地域を問わず現れました。越境ECや日本食品の売り場が、次の訪日への入口になっている可能性があります。
「帰国してから、ラーメンや寿司のような日本食をもっと頻繁に食べるようになりました。地元の店で見つけたときには日本のお菓子や飲み物を買うこともあります」
■「日本を勧めない」と答えた人は、ゼロだった
「日本への旅行を人に勧めるか」(7段階)では、「勧めない」側(1〜3)を選んだ人は0%。上位2段階だけで75%、平均は6.2に達しました。課題は「来てもらう」ことではなく、「もう一度、もっと深く」来てもらうことに移っています。
n=81/出典:Fast Insight 自主調査(2026)
一方で、繰り返し挙がった数少ない懸念は、旅の「外側」にある政治・歴史をめぐる問題や物価上昇でした。日本での体験そのものへの不満はほとんど語られておらず、「歓迎されている感覚」がリピートの生命線になっている可能性があります。
《戦略的示唆》明日から使える、4つの視点
01
「何度目かの日本」に売る
初訪日向けの定番訴求は主戦場ではありません。訪日回数別に「次の理由」を設計することが重要です。
02
「町のごはん」を主役にする
高単価より、日常の食の格上げが財布を開きます。食からの回遊・物販導線が有効です。
03
AIとSNSに「引用される」情報を出す
実体験の動画と、AIが拾える一次情報を公式サイトの外へ供給することが、新しい入口になります。
04
帰国後の生活に接点を残す
日本食・日本商品の継続購買(越境EC)が、次の訪日への最短の入口になります。
【調査概要】
- 調査名
- 訪日外国人の旅行行動・意識調査(2026)
- 調査方法
- Fast InsightのAIモデレーターによる、現地語の1対1動画インタビュー。定量設問を併用
- 対象
- 過去12か月以内に日本を訪れた18歳以上の生活者
- 対象の国・地域
- 中国・台湾・韓国・タイ・米国(中国語圏は言語ベースで集計)
- 有効回答
- 定性インタビュー104名(品質確認済み)/定量有効回答100名(中国語圏38・韓国30・米国23・タイ13)
- 集計
- 設問ごとの回答数(n)は各グラフ脚注に記載。回答は日本語へ翻訳して分析
- 調査主体
- ファストインサイト株式会社(Fast Insight 自主調査)
本レポートの数値は出典(Fast Insight 自主調査)を明記のうえ引用可能です。発言引用は読みやすさのため言いよどみのみ整形しています。
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本調査の全14ページ版レポート(全グラフ・回答者の語りを収録)を、ご入力いただいたメールアドレスへお送りします。本レポートは、実際にFast Insightで訪日経験者100名にインタビューして作成しました。
ファストインサイト株式会社について
Fast Insightは、AIモデレーターが56カ国・29言語の現地生活者に現地語でインタビューする、海外消費者調査プラットフォームです。従来は数か月・数百万円を要した海外定性調査を、最短即日・数万円から。企画からレポートまで、結果は日本語でお届けします。
所在地:東京都品川区 代表取締役:鈴木一成 お問い合わせ:info@fastinsight.ai